「非政府有志によるエネルギー基本計画」は、第7次エネルギー基本計画(2025年2月18日閣議決定)の策定過程に対し、特定の組織や資金に依存せず、実証的な分析と政策提言を提示することを目的として、2024年2月に初版を公表した。その後、有志による自発的な協働のもと、政府計画の動向や経済・エネルギー情勢の変化を踏まえ、継続的に改訂を重ねてきた。改訂履歴は以下のとおりである。
| 版 | 出版日 | 著者数 | ページ数 | 改訂概要 | DOI |
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| 第7版 | 2026-05-## | — | — | 2026年5月公開予定 | — |
| 第6版 | 2025-09-06 | 19名 | 224頁 | 現状認識のI章を大幅に再編した。従来の5節構成(I.1〜I.5)を3つのグループ(I.1「顕在化する脱炭素政策の弊害」、I.2「人為的温暖化論の社会学」、I.3「世界的に後退する脱炭素政策」)に整理し直し、特にI.2として「正義の危うさ」「政治の危険性」「科学的権威の非絶対性」の3節を新設。戦前日本の歴史的事例を引きながら、脱炭素イデオロギーの社会的・政治的危険性を論じる章を加えたことが最大の変更点。政策提言のII章以降の構成は第5版(改訂)を維持しつつ、各所のデータを2025年夏時点の最新値に更新した。 | 10.5281/zenodo.20026727 |
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第5版 (改訂) |
2025-07-22 | 18名 | 212頁 | 章構成は第5版と同一のまま、最新データへの更新を中心とした小幅改訂。EUの2040年CO2削減目標の欧州気候法への法制化動向、ドイツのエネルギー多消費産業代表による「グリーン経済の奇跡は空文」との批判声明など、国際情勢の最新動向を反映。実質賃金の下落データや産業生産指標も7月時点の速報値に更新された。 | 10.5281/zenodo.20026630 |
| 第5版 | 2025-06-17 | 18名 | 212頁 | 第4版から約1年ぶりの大幅拡充版。第7次エネルギー基本計画の閣議決定(2025年2月)やトランプ政権復帰・パリ協定再離脱など国内外の激変を受けた大幅な拡充。現状認識のI章に「脱炭素は世界の潮流ではない」「世界は低炭素へ回帰」の2節を新設。原子力章(II.2)を7節から13節へ大幅拡充し、放射線リスク・廃棄物処理・ウラン資源・研究開発体制など論点を網羅的に強化。水素章(II.6)では「挫折の憂き目に遭うグリーン水素構想」を追加。気候変動章(II.10)も9節から13節へ拡充し、温暖化の自然変動要因や気候科学への批判的論点を新設した。 | 10.5281/zenodo.20026592 |
| 第4版 | 2024-06-14 | 17名 | 177頁 | II.6章に「水素関連技術が簡単に安くならない理由」を新設(旧II.6.4以降の節番号が一つずつ後ろにシフト)。水素基本戦略の目標未達の実態や、水蒸気改質・グリーン水素のコスト的限界を詳述し、水素政策への批判的論拠を強化した。あわせて実質賃金の連続減少月数など経済データも最新値に更新された。 | 10.5281/zenodo.20026521 |
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第3版 (改訂) |
2024-05-17 | 16名 | 171頁 | 主にデータの更新を行った小幅改訂。経済成長比較のデータが2023年第4四半期から2024年第1四半期(内閣府5月16日公表の速報値)に更新されたほか、実質賃金の連続減少月数(21カ月→24カ月)やエネルギー補助金の終了スケジュール等、各所の数値・出典が最新化された。また図表の日本語表記や脚注の記述も整備されている。 | 10.5281/zenodo.20026447 |
| 第3版 | 2024-04-16 | 16名 | 170頁 | 最大の変更点はII.8「電気事業制度を垂直統合型に戻す」章の大幅加筆で、第2版の5節構成から「震災前の電力システム改革」「震災後の電力システム改革」の2節を新設した7節構成に再編。東日本大震災前後の電力自由化の経緯と問題点を詳述し、垂直統合復帰の論拠を強化した。 | 10.5281/zenodo.20026374 |
| 第2版 | 2024-04-05 | 14名 | 163頁 | 第1版の構成を維持しつつ、再エネ・経済安保に関する論点を大幅に強化した。具体的には、II.6章に「ウイグル人権問題に関する経済安全保障」「グリーン経済安全保障」「洋上風力発電が日本を貧しくする」の3節を新設。また、電力コストやGX関連のデータ・図表が各所で更新された。 | 10.5281/zenodo.20025964 |
| 第1版 | 2024-02-24 | 9名 | 150頁 | 「エネルギードミナンス」という概念を掲げ、脱炭素偏重の第6次エネ基を批判し、安全保障と経済成長を重視した11項目の政策提言(電力コスト低減、原子力50%目標、化石燃料安定利用、太陽光停止、EV拙速反対、省エネ規制廃止、垂直統合復活、備蓄強化、CO2総量目標廃止、パリ協定代替協定など)を体系的に示した。 | 10.5281/zenodo.20024599 |